小林班
動物媒介性感染症対策戦略とその実施における国際比較とネットワーク形成

「沖縄県における蚊媒介性感染症に関する学校教員の知識・態度・行動(KAP)調査」へのご協力依頼

アンケート調査へのご協力のお願い
 
タイトル 
蚊媒介性感染症に関する知識・態度・行動(KAP)に関する研究
 
研究の背景
琉球大学では沖縄県委託事業である沖縄感染症研究拠点形成促進事業「動物媒介性感染症対策の沖縄での施策提言とネットワーク形成に関する研究」(2015年度~2017年度)を受託し、その中で国際共同研究「沖縄県及びフィリピン国における蚊媒介性感染症に関する学校教員の知識・態度・行動(KAP)調査」を開始しました。
 
研究の目的と手法
この研究の目的は、日本及びフィリピンで、デング熱、ジカウイルス感染症など蚊が媒介する感染症の蔓延を抑制する公衆衛生対策のデザイン・評価するために、蚊媒介性感染症に関するKAP 調査(※)を行い、施策提言に資することを目的としています。
この研究では、個人への質問紙への回答(1020分程度)をお願いしています。
 
(※)KAP調査とは、公衆衛生状況を改善する要因を検討するための量的調査法の一つで、質問票を通じて知識、態度、行動を分析します。本質問紙は、世界保健機構(WHO)が作成した「ジカウイルス感染症に関するKAP調査」(Knowledge, Attitudes and Practice surveys Zika virus disease and potential complication)に基づき作成されています。
 
どのような人にご協力いただいているか
沖縄県内の中学校およびフィリピン国の中学校・高校の教職員を対象として研究を行っています。なお、学校の抽出には、沖縄県教育庁および地域教育事務所と相談させていただきました。
調査対象:沖縄県6地域教育事務所 18校 (教諭 約500名)
 
担当実施機関
沖縄県内の調査実施は、琉球大学医学部保健学科国際地域保健学教室が担当します。
皆様にご協力いただき収集したデータは、調査チームで解析し、データに基づき健康改善につながる介入活動(周知活動やコミュニケーション活動等)を立案し、蚊媒介性感染症の蔓延抑制効果を検証する予定です。
 
研究の倫理審査について
この研究は、個人情報は含まれないように配慮しており、琉球大学疫学研究倫理審査委員会(承認番号:383)で承認を受けています。
本研究の結果および成果については、個人情報の保護に十分に留意しつつ、国内外の学術集会や論文などで発表・公表の予定であり、蚊媒介性感染症に関する対策に資することが期待できます。
個人情報保護について:調査内容につきましては学術的な目的のみに使用させていただきます。
本研究の目的を十分にご理解・納得いただける場合、質問票にご回答いただきますようよろしくお願いいたします。
 
〇連絡・照会:
本研究に関するご質問等がありましたら、下記の連絡先までお問い合わせください。
ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することができますので、お申し出ください。
 
研究代表者: 琉球大学医学部保健学科国際地域保健学 教授   小林潤
研究実施者: 琉球大学医学部保健学科国際地域保健学 特命助教 児玉光也
 
〒903-0215 沖縄県中頭郡西原町上原207
TEL・FAX: 098-895-1286
E-mail: kodama[at]med.u-ryukyu.ac.jp

 

7月21日~26日、石垣島、西表島での情報収集・調査

7月21日~26日、児玉光也(琉球大学医学部保健学科国際地域保健学教室)は石垣市及び竹富町西表においてレプトスピラに関し、情報収集・視察調査を行った。

1.八重山保健所を訪問し、保健所によるレプトスピラ症の現状認識及び対策概要、発生場所を把握した。石垣島及び西表島では毎年レプトスピラ症患者が発生しており、レジャー産業従事者、農業従事者が、河川流域で、水に触れ、感染していると推測される。保健所としては、2014年のアウトブレイク時にレジャー産業従事者に対する啓発活動を行い、今年2016年も6月に西表で啓発活動を行った。

2.八重山病院大原診療所・山腰晃治氏(医師)、八重山病院西表西部診療所・幸喜翔氏(医師)、八重山病院・須藤航氏(医師)、たまよせ動物病院・土城勝彦氏(獣医師)と情報交換を行った。レプトスピラ症は、感染から7日~2週間程度を経て、頭痛、発熱、目の充血、筋肉痛等の症状、重症化すると、黄疸、腎不全等の場合がある。西表ではレジャー産業従事者が毎年患者として受診する。受診が遅れ、重症化について議論された。今年2016年はこれまで以上の患者発生の可能性も考えられる。

3.竹富町大原保健指導所及び西部保健指導所並びに竹富町商工観光課を訪問した。住民、レジャー産業従事者、国内外の観光客の健康・疾病対策として、ハブクラゲ、減圧症、熱中症、外傷、口蹄疫、鳥インフルエンザ、新型インフルエンザ、観光従事者の健康管理に加え、レプトスピラ症も課題の一つとの認識。

4.フィールド視察@西表島のピナイサーラ川、大見謝川
(協力:タイドライン・大滝慎司氏、おさんぽ気分・尾島直矢氏



10月13日、在沖縄米軍との情報交換

10月13日、本研究リーダーである小林潤(琉球大学医学部保健学科国際地域保健学教室・教授)、児玉光也(同・特命助教)、山城哲(琉球大学大学院医学研究科ウィルス学講座・教授)、斉藤美加(同・助教)、トーマ・クラウディア(同細菌学講座・助教)は、久高潤氏(沖縄県環境衛生研究所)とともに、在沖縄米軍基地キャンプ・フォスター内に位置する米国海軍病院において、米国海軍病院公衆衛生部のShusko中佐・医師、Do中佐・医師、ベネット氏、米国空軍のCotton大佐・医師、他6名らを表敬訪問した。
本研究概要を共有するとともに、沖縄県内米国海空軍が有する蚊媒介性疾患やレプトスピラ症に関する情報共有が行われた。


研究進捗状況


 @ Joint International Tropical Medicine Meeting (合同国際熱帯医学会議)に以下演題採択されました。
Development of innovation ecosystem for combating the neglected tropical diseases in Okinawa, Japan
Kobayashi J, Oosumi T, Saito M, Toma C, Kodama M
12月7-9日タイ国バンコクにて開催され、東南アジア各国、日本、韓国、オーストラリア、アメリカ、ヨーロッパ各国の熱帯医学の専門家が集まります。
動物媒介性疾患を中心とした顧みられない熱帯表(NTD)の沖縄でのイノベーション創成の取り組みを紹介します。

@Malaria Journal に以下論文が採択されました。
Akiyama T, Pongvongsa T, Phrommala S, Taniguch T, Inamine Y, Takeuchi R, Watanabe T, Nishimoto F, Moji K, Kano S, Watanabe H, Kobayashi J
Asymptomatic malaria, growth status, and anaemia among children in Lao People's Democratic Republic: a cross-sectional study
Malaria Journal 2016 (in press)

@フィリピン大学マニラ校、公衆衛生学部ヘルスプロモーション講座、タイ国マヒドン大学熱帯医学部熱帯衛生講座と共同研究が開始されました。
ジカ熱対策のリスクコミュニケーションです。
タイ、フィリピンではジカ熱の症例が報告、タイではジカ熱の国内感染例が報告されています。

@沖縄県衛生環境研究所と隔月の定例会を開催しています。
沖縄県での対策に直結する研究成果をだすために、相互の情報交換を強化しています。
レプトスピラ症の発症についての疫学データから、今までの対策の成果とともに、新たな課題があぶりだせれてきています。
また斎藤班、トーマ班が作り出しているイノベーションが対策に生かされる早道も積極的に討議されています。