小林班
動物媒介性感染症対策戦略とその実施における国際比較とネットワーク形成

7月21日~26日、石垣島、西表島での情報収集・調査

7月21日~26日、児玉光也(琉球大学医学部保健学科国際地域保健学教室)は石垣市及び竹富町西表においてレプトスピラに関し、情報収集・視察調査を行った。

1.八重山保健所を訪問し、保健所によるレプトスピラ症の現状認識及び対策概要、発生場所を把握した。石垣島及び西表島では毎年レプトスピラ症患者が発生しており、レジャー産業従事者、農業従事者が、河川流域で、水に触れ、感染していると推測される。保健所としては、2014年のアウトブレイク時にレジャー産業従事者に対する啓発活動を行い、今年2016年も6月に西表で啓発活動を行った。

2.八重山病院大原診療所・山腰晃治氏(医師)、八重山病院西表西部診療所・幸喜翔氏(医師)、八重山病院・須藤航氏(医師)、たまよせ動物病院・土城勝彦氏(獣医師)と情報交換を行った。レプトスピラ症は、感染から7日~2週間程度を経て、頭痛、発熱、目の充血、筋肉痛等の症状、重症化すると、黄疸、腎不全等の場合がある。西表ではレジャー産業従事者が毎年患者として受診する。受診が遅れ、重症化について議論された。今年2016年はこれまで以上の患者発生の可能性も考えられる。

3.竹富町大原保健指導所及び西部保健指導所並びに竹富町商工観光課を訪問した。住民、レジャー産業従事者、国内外の観光客の健康・疾病対策として、ハブクラゲ、減圧症、熱中症、外傷、口蹄疫、鳥インフルエンザ、新型インフルエンザ、観光従事者の健康管理に加え、レプトスピラ症も課題の一つとの認識。

4.フィールド視察@西表島のピナイサーラ川、大見謝川
(協力:タイドライン・大滝慎司氏、おさんぽ気分・尾島直矢氏



10月13日、在沖縄米軍との情報交換

10月13日、本研究リーダーである小林潤(琉球大学医学部保健学科国際地域保健学教室・教授)、児玉光也(同・特命助教)、山城哲(琉球大学大学院医学研究科ウィルス学講座・教授)、斉藤美加(同・助教)、トーマ・クラウディア(同細菌学講座・助教)は、久高潤氏(沖縄県環境衛生研究所)とともに、在沖縄米軍基地キャンプ・フォスター内に位置する米国海軍病院において、米国海軍病院公衆衛生部のShusko中佐・医師、Do中佐・医師、ベネット氏、米国空軍のCotton大佐・医師、他6名らを表敬訪問した。
本研究概要を共有するとともに、沖縄県内米国海空軍が有する蚊媒介性疾患やレプトスピラ症に関する情報共有が行われた。


研究進捗状況


 @ Joint International Tropical Medicine Meeting (合同国際熱帯医学会議)に以下演題採択されました。
Development of innovation ecosystem for combating the neglected tropical diseases in Okinawa, Japan
Kobayashi J, Oosumi T, Saito M, Toma C, Kodama M
12月7-9日タイ国バンコクにて開催され、東南アジア各国、日本、韓国、オーストラリア、アメリカ、ヨーロッパ各国の熱帯医学の専門家が集まります。
動物媒介性疾患を中心とした顧みられない熱帯表(NTD)の沖縄でのイノベーション創成の取り組みを紹介します。

@Malaria Journal に以下論文が採択されました。
Akiyama T, Pongvongsa T, Phrommala S, Taniguch T, Inamine Y, Takeuchi R, Watanabe T, Nishimoto F, Moji K, Kano S, Watanabe H, Kobayashi J
Asymptomatic malaria, growth status, and anaemia among children in Lao People's Democratic Republic: a cross-sectional study
Malaria Journal 2016 (in press)

@フィリピン大学マニラ校、公衆衛生学部ヘルスプロモーション講座、タイ国マヒドン大学熱帯医学部熱帯衛生講座と共同研究が開始されました。
ジカ熱対策のリスクコミュニケーションです。
タイ、フィリピンではジカ熱の症例が報告、タイではジカ熱の国内感染例が報告されています。

@沖縄県衛生環境研究所と隔月の定例会を開催しています。
沖縄県での対策に直結する研究成果をだすために、相互の情報交換を強化しています。
レプトスピラ症の発症についての疫学データから、今までの対策の成果とともに、新たな課題があぶりだせれてきています。
また斎藤班、トーマ班が作り出しているイノベーションが対策に生かされる早道も積極的に討議されています。