PROJECT
プロジェクト

プロジェクト

動物媒介性感染症対策戦略とその実施における国際比較とネットワーク形成

琉球大学
保健学科 国際地域保健学

小林 潤

研究の概要

沖縄の現状のリソースを強化し、国内外のネットワーク強化による動物媒介性感染症対策アプローチの提言をしていきます。イノベーション・エコシステムを確立し研究共同体で得られた科学的知見を産官学連携において応用していきます。バイオ技術の商品化だけでなく、地域の連携等の社会技術の応用も考えています。

研究対象(媒介動物)

当研究班では対策戦略の策定を主な武器とします。特定の媒介動物に限定した研究をするわけではなく、蚊、ダニ、ネズミ等の媒介動物別のアプローチを研究共同体・研究協力者のネットワークのなかで作っていきます。

研究対象(病原生物)

Neglected Tropical Diseases (顧みられない熱帯病)を中心に、通常あまり注目が浴びない疾患を対象にしています。これらの病気は、熱帯地域の貧困層に蔓延していますが、2015年に東京で小規模のアウトブレイクがおきたデング熱のように日本においても地球温暖化等の影響で無視できない物となってきています。

キーワード

感染症対策、社会技術、
イノベーション

コメント

1998年、橋本首相(当時)がG8サミットにて、世界の寄生虫対策に取り組む必要性を宣言しました。これは「橋本イニチアティブ」といわれ、2000年に沖縄サミットで宣言された「沖縄感染症イニシアチブ」のもとになりました。寄生虫症等の熱帯地域の貧困層に蔓延しており今まで注目されてこなかった疾患を“顧みられない熱帯病(NTD)”としてまとめこれに特化した対策部門をWHO内に立ち上がりました。WHOはNTDのなかでも特に多くの地域で健康被害を起こしている17疾患を指定して対策を進めています。しかしこれらの疾患だけが問題なわけではなく、さらに注目されない感染症は多々あり地域ごとの対策が必要ですが、例えば沖縄ではレプトスピラ症の集団発生が報告されており対策を進めければなりません。また温暖化の影響で、デング熱やジカ熱が沖縄で蔓延する危機も高まっています。研究班では病気が蔓延している東南アジアとの協力によって相互利益のある研究結果を狙っています。また東南アジアで大きな問題である人畜共通感染症は沖縄では動物に感染していても人には被害が少ないと想定されるものもあり、これらの状況を分析しています。また疾患の感染がみられる沖縄だからこそ対策に直結する診断キットなどの適正技術開発ができるといえます。これらの知見を応用し、民間を含めた沖縄のリソースをフルに活用して沖縄モデルとして確立できることを狙っています。

研究成果

Asakura T, Mallee H, Tomokawa S, Moji K, Kobayashi J
The ecosystem approach to health is a promising strategy in international development: lessons from Japan and Laos
Globalization and Health 2015 doi:10.1186/s12992-015-0093-0
http://www.globalizationandhealth.com/content/11/1/3/abstract

Takahashi K, Kobayashi J, Nomura BM, Kakimoto K, Nakamura Y
Can Japan Contribute to the Post Millennium Development Goals? Making Human Security Mainstream through the TICAD Process
Trop Med Health. 41(3): 135–142. 2013
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tmh/advpub/0/advpub_2013-14/_pdf